私は元々、プロを目指してボクシングに打ち込み、とあるきっかけから自分の焼肉店を開くという夢を持ちました。 肉や飲食店の知識はゼロに等しい状態でしたが「自分自身が体験したことでなければ、お客様に自信を持って伝えることはできない」という信念から牧場で牛を育てるところから学ぶ事を決意しました。 「焼肉店を開くために牛の勉強をしたい！」 という一心で、岩手県の一関市にある「いわて門崎丑牧場」に飛び込み、修行をスタートしました。 牧場の仕事は想像以上の重労働。 牛舎の掃除や餌をあげ等、24時間、365日、牛に本気で向き合う牧場の方々の姿勢を肌に感じ、感銘を受けました。 その後、東日本大震災を機に肉の卸し会社を設立。10年を懸け【生産】→【流通】→【販売】を経験致しました。 そのほかに海外で焼肉店のオープンに携わり、和牛の輸出にも関わるなど、海外とのコネクションを構築。そしてようやく2019年11月29日に「焼肉 赤坂 えいとまん」を開店しました。 当店は、お食事を通じて私の実体験をお客様にも追体験していただく場でもあります。 生産から流通、そして販売までの全プロセスに携わってきた貴重な経歴を活かし、生産者さんとお客様をつなげる架け橋になりたいと常に願っています。

鳥取市の河原町で、生産者の谷口拓也さんによって、毎日丁寧に育てられている万葉牛です。 最高の和牛を求めて、全国の牧場を探し回って出会ったのが、谷口さんが生産する万葉牛でした。 谷口さんが手掛ける万葉牛の最大の特徴は、自分の農場で母牛から仔牛を出産させ、肥育を行う「一貫経営」であること。 通常は仔牛を繁殖業者から購入し、それを肥育していくことが一般化しているなか、谷口さんは一貫して、繁殖から肥育までを責任を持って行います。 自分達で牛をゼロから育てることで、安心安全につながっています。 また、牛の育て方もきわめて自然。 無理に大量の餌を食べさせて太らせ、短期間で出荷するようなことは行いません。 牛肉の味に関わる部分で、一番大切なのはエサ。 谷口さんは牧草や穀物の種類にこだわり、良質で無駄なものが入っていないエサを食べさせています。 安価な米国産のコーンや、成長促進を目的とした肥育ホルモン剤は使いません。 １年365日、朝から晩まで、休みなしで牛のお世話にあたる生産者は、非常にハードな仕事です。 その中でも、谷口さんと牧場のスタッフたちは、プライドを持って仕事に取り組んでいます。 生産者の仕事は、牛を育てて出荷すれば終わりではありません。 その先の、お客様の口に入るところまで責任を負うのが、谷口さんが考える本当のゴールなのです。